からすのしっぽ

日々のおおまかなことを書いています。

日本酒を欲する

ことあるごとに「運動しよう、運動しよう、運動するぞお」と言っているくせに運動不足更新中なのでふとした拍子に腑抜けている。去年の秋に甲状腺機能亢進症とやらで動悸がひどく運動習慣がなくなってしまったときには「からだがあ、きもちわるいぞお、うごきてえ、うごきてえ……」と叫んでいたくせに、症状がやわらいだいま、どうにも腰が重い。それでも一切お酒を欲しなくなったからだが、日本酒を求めるようになってきた。気がする。

病気になるとお酒を欲しなくなるのだが、どういう仕組みか、うんと血のめぐりが悪くなるとそういうスイッチが入る。酒は百薬の長というが、たしかに少量のむとぐぐぐと内臓が動く。これからの時期、湿気に胃腸をやられるので活動維持のためにそういうスイッチが入るのかもしれない。そういう、なんかよくわかんない、スイッチが。

となると、アテにあんこだのぬか漬けだのがほしい。
わたしは胃腸の調子で行動力が決まるタイプのひとなので、こういうときは胃の声に逆らわないほうがいい。が、ちいさな家ゆえにコンパクトな冷蔵庫でないと運搬できなかった我が家のちいさな冷蔵庫のなかみは、漢方と日々の食材であまり余白がない。こんどスーパーで奈良漬けを買うか。小さなパックに入っているあれならいけるぞお。思考がささやく。


ここ数年、もう十年ほどのつきあいである転換性障害で頻繁に歩行困難になっていたので、四肢が不自由であることに慣れてしまった。そのせいか、ここ最近ふと気がついたからだの機能の正常さ、しぜんと手指や足指が連動していることに少々混乱している。すなおにうれしいことなのだけれど、驚いている。頭が処理できずに重たい。といっても五感を刺激する機会が減ってただボケているだけなので、練習をかねて少しずつ日常の動作を増やしていく必要がある。体が素直に利き手を使うようになったこと、こどものころに矯正利き手で遊んでいたことを、左手でもやってみたい衝動があるので(背骨がかゆくなるほど)、これは満たしてあげないと。と感じる。

使う手が変わるとからだの軸や見え方が変わるので、がらりと何もかもが変わるような感覚がある。方向音痴を克服したように頭の使い方もずいぶんと変わっている。日本酒を欲するスイッチは「あたまでっかちで生活しとる場合ちゃうぞオラア」という説教のような気がしてきた。こちとら生命維持やってますねんオラア。と、からだが怒っている気がする。

すみません、すみません。
でもねこちゃんが膝に乗ってきてぬくぬくしてうとうとしちゃうんです。
という言い訳くらいは余白に残して、すこしずつ動こう。ということにする。きょうはそんな日。