からすのしっぽ

日々のおおまかなことを書いています。

ねこちゃんにならう

朝起きると腹が腑抜けていた。腹の内側が冷たいので二度寝する。そんなことはお構いなしに年中ねこちゃんのナッシーちゃんが「ニャー、ニャー、ニャー」とあの手この手と爪を使ってわたしを起こしにくるので「きのせい、きのせい」と彼女を布団のなかに引き込んで眠りにつく。

けっきょく小一時間ほど眠ったあとにいつものように朝の家事などをこなしてみたが、やっぱり腑抜けているし寒いので「天気ええなあ……」と窓の外をみるだけみて布団に戻る。たぶんからだのバランスを失って張りつめているんだと、こういうときは思い切って動くほうがいいとわかっているけれど、感受性が閉じていくような無気力さがじわりじわりとからだを支配している。ひたすら眠る。


おりたたんだかけ布団のあいだから年長ねこちゃんのよしこちゃんが顔をだす。じぶんでもぐって寝ていたらしい。いつぞやつれあいがテキトウにねこちゃんの誕生日を設定してくれたことがあった。彼女は今日で十二歳。野良猫だったので推定。
なんだか年齢のせいか最近は気品がにじみ出てきた気がする。いつもおでこをくっつけて眠るほど甘えん坊なのだけれど、どうぶつの品性はいいもんだなあ。

そういえばここ最近、腑抜けているわりに頭をからっぽにして眠ることができるようになった。その場のことをいつまでも引きずらなくなったというか、テキトウになったぶんいったん忘れることに強くなったというか、本来の性分で呼吸ができているというか。


あえてこころを満たそうとしなくたって、勝手に満たされるんだよなあ。なりゆきとやらにもうすこし安心感をもって呼吸ができればいいなあ。
そんなことをふと感じる日。きょうはそんな日。寝よう。